発達障害者支援法において、発達障害は自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現する障害を有するものとされています。
例えば、自閉症などは、3つの特徴(社会性の障害、コミュニケーションの障害、こだわりが強く、興味や行動が極めて限られている障害)の組み合わせとして診断されます。 社会性に関して、人への反応や関心が乏しすぎたり、逆に、大きすぎたりして、対人関係がうまく結べないことがあります。「指示されているルールは守れるが、職場の暗黙のルールに混乱する」「注意されると、相手が自分を敵視しているように感じてしまう」ということがあります。
コミュニケーションに関して、言葉や表情・ジェスチャーなどの手段をうまく使えないことがあります。他者にメッセージを伝え、あるいは他者からのメッセージを読みとることが苦手といわれています。「上司や同僚に対する接し方がうまくできない(誰にどう接して良いのかわからない)」「指示がわからないときに、タイミング良く質問することが苦手」ということがあります。
こだわりに関しては、活動や興味の範囲が著しく制限されていることがあります。立場を変えるとか、場を理解するなどがうまくできないことがあります。変化を怖れるということもあります。「複数のことを担当すると、どれを優先するのか、わからなくなる」「時間や場所などの予定が変更になると不安になる」ことがあります。この他にも、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の過敏・鈍麻や、不器用さなどがある場合もあります。
学習障害(LD)は、一般的には、全般的な知的発達の遅れがないにも関わらず、読み書きや計算能力などの限定的な障害やアンバランスがみられることを指します。
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、注意が散漫で気が散りやすい「不注意」や、じっとしていられないといった「多動」、何か思いつくと後先考えず行動してしまう「衝動性」などが特徴です。
これらの障害が重複する場合もあり、いずれにせよ、一人ひとり違いますので、個別の対応が必要となります。
いくつかの対応方法例として、職場において確実に守るべきルールは、文章やメモにして具体的に示す(図示など)、上司や同僚に対する接し方については、それぞれの役割を明示し、モデルを示すなどの方法があります。
作業の優先順位については、メモ帳や手帳などを利用して、担当作業をリストアップする方法が有効です(わからないときは、優先順位の指示を上司に求める)。
変化に対する不安を軽減するには、作業時間・工程を予め確定し伝える(残業や納期の変更は早めに指示する)、メモを取って復唱させるといった方法があげられます。
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