「難病」とは医学的に明確に定義された病気の名称ではなく、治療が難しく、慢性の経過をたどる疾病を総称して用いられてきた言葉です。昭和47年の厚生省(当時)の「難病対策要綱」においては、「難病」は、「①原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病」「②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」と定義されています。ただし、完治はしないものの、適切な治療や疾患管理を続ければ、普通に生活できる状態になっている疾患が多くなっています。
現在、難治性疾患克服研究事業の対象疾患として130疾患、特定疾患治療研究事業の対象疾患として56疾患(いずれも平成22年3月現在)が指定されており、その症状、状態像は個人個人により様々です。
個人の疾患、症状によって配慮事項は異なります。例えば、通院への配慮、就業時間中の健康管理(服薬など)への配慮、通勤や治療のための柔軟な就業時間の設定といったことが配慮の例となります。また、仕事上の相談にのる上司や同僚の存在も大切です。
さらに、症状により視覚障害や肢体不自由など身体的な障害がある場合には、その障害に応じた物理的な環境整備(例えば、下肢に障害がある場合は職場内の段差の解消など)についての配慮が必要です。
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